☑︎ツバルにいる海外の人たち
大月:今回の旅は「アホな走り集」と「インタビュー」の2つの撮影が目的だったから、とにかく人との出会いを毎日やってた感じで。
サトシ:わずかな繋がりを頼りに出演オファーしに行ったり、路上でナンパしてみたり。
イアン:出演してくる人を探すのってこんな大変なのかと。アホな走り集だけ見てると「楽しそうだなー!」としか思ってなかったから、裏側は結構苦労してる。
大月:けどまあ、色んな人と出会ったよね。書ききれないと思うけど人の話しよっか。
ニーナ:現地の人以外でも仲良くなった人たちはいっぱいいる。台湾のコミュニティの人たちはパーティーにも呼んでくれたね。
サトシ:ツバルで知り合った海外から来てる人って国際連合か世界銀行関連の人が多かったですね。
イアン:あとは環境の調査系。生態系の調査とか。
大月:基本的にそういう国際組織みたいな人達が来てて。
遠藤:もしくはツバル政府に要請されて派遣されている人たちね。オーストラリアから来た消防士や、インドからはインターネット環境をよくするためにエンジニアが来てるし。
イアン:まあとりあえず、純粋な観光目当てで来ている人はけっこう稀。滞在中に出会った日本人旅行者は2名でしたね。
大月:あとは仕事で魚の買い付けに来てる日本人の男性がいたよね。ツバルは漁業権も主な収入源で、海を見渡せば大型の漁船がたくさん見える。その人は漁船まるごと魚買うって言ってた。
イアン:漁獲量が本当に減ってるから魚は今後値上がるって言ってましたね。マメ知識。
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☑︎ツバルに島唄を響かせるチョイ壊れオヤジ・ラサロ
大月:ラサロの話しますか。
イアン:きちゃった(笑)
サトシ:ツバルで人の話と言ったら真っ先に彼ですね。
大月:俺、着いて二日目。タバコをゲストハウス内で吸っちゃ駄目って言われたから、外に出て吸ってたの。そしたら遠くから彼がこっちに向かって歩いてきたんだけど、すでに彼のただならぬ雰囲気は伝わってきてて(笑)
イアン:わかりやすく言うと浮浪者の雰囲気ですかね、常に酔っ払ってる感じで(笑)
大月:まさか話しかけられないよな、、、と思ってたら「ヘイッ!スモーク、プリーズ!」って。それがラサロとの出会いで。この写真見ればわかるけど、目が離れてるんだよね。且つ歯もけっこう無いんだよな。
イアン:歯が全然ない。だから滑舌も悪いし、タバコで声もガラガラだからしゃべりのインパクトも強い(笑)
大月:姿勢も悪いし、あとテンションも「うわっ、これはヤバイ、普通じゃない」っていう(笑)
イアン:ちなみに言うと、5回に1回ぐらいめちゃくちゃ臭い。
大月:やべえ奴にからまれたと思って。タバコあげれば去ってくれると信じて1本あげたら「ワンパッケージ!プリーズ!」って(笑)
サトシ:厚かましい(笑)
大月:さすがに断ったら、感情の読めない表情で俺の顔をジロジロ見ながら「ジャパニーズ?」ってコミュニケーション取ろうとしてこようとする。うわ、ヤバイヤバイと思ったら、いきなり「♪島唄よ、風にのり~鳥と共に〜海を渡れ~」って歌い出して、めっちゃ苦笑い俺(笑)。襲われたらどうしようとか、なんでツバル人が島唄歌ってんのとか、訳わかんなくんて、どうしよう、とりあえずこの状況逃れたいみたいな(笑)。
サトシ:でもそこからラサロとは仲良くなるんですよね。
大月:そうそう、撮影とかめっちゃ協力してくれて。アホな走り集にラサロも走ってくれるし、滑走路でいろんな人に声かけて連れてきてくれたりとかして、めっちゃ良いやつじゃんこいつって。ちなみに年齢聞いたら「1977年生まれの40歳!」っスパッっと言ってて、「俺と同い年なの!?」って本当ビックリした。
サトシ:どう見ても初老って感じですもんね(笑)
大月:アホな走りも一番やってくれた。
イアン:一人で10回ぐらい走ってたよね。自分でどうやって走るかとか構図とか考えて、自分で進めて「ビデオ、ゴー」ってキューを出す。
大月:そうそう、あと判断が早いんだよ。良い走りのプレビューとか見て一瞬で「good」つって、で逆にあまりよくない走りには「noooo」って判断が早いし正しい。
サトシ:けど、ラサロと出会えて良かったですよね。
イアン:ハートがあったし、みんなに嫌われてるけど愛されてるみたいなね。
大月:ラサロってコミュニティー的にはどういう扱いなんですか?
遠藤:嫌われてはないんだよね。
イアン:でも、なんか下には見られてるじゃないですか。ラサロのことをビーストって呼んでる女の子がいましたよ(笑)
遠藤:うん、まあ一応ね(笑)
サトシ:厄介な親戚のおじちゃんみたいな。
イアン:でも結婚式とかで、ラサロが何の空気も読まずにみんなの前で踊った時とか、みんな笑ってた。なんか周囲に守られている感、一種の愛を感じたな、あの時。
遠藤:日本人からしたら愛を感じるよね。普通ああいう人いたらさ、表に出てくるなぐらいの状態だけど。それをコミュニティーでしっかり囲い込んでいるよね。
大月:でも20日くらいいると、途中でちょっとウザくなってきた(笑)。島が小さいからどこに行っても会うし、「ヘイ!ジャパニーズ!スモーーーック!」って毎回タバコねだってくるし。会うとどこまでもついてこようとするんだよな。勝手に三脚担いで「次の現場はどこ?」みたいな。
サトシ:確かに、ウザくはなったんですよ(笑)でもウザくはなったけど。
イアン:なったけど、、、友情?
サトシ:そう!大嵐の日に、外で撮影できないから俺と大月さんがゲストハウスで暇つぶしに将棋してたらビショビショでラサロが来て「おまえら大丈夫か?」みたいな。ただそれをチェックしに来ただけだって、それで俺らの無事を確認したら暴風雨の中、帰っていったという。めっちゃ優しい。
イアン:あと最終日に、空港でいよいよ飛び立つという時にラサロがずっと隣に座ってて「I’m sad…」て言ってて。
サトシ:俺は悲しいよ、寂しいよ、みたいな。
大月:心優しきモンスター。
イアン:その後「フォト!フォト!フォト!」て言って滑走路で写真撮って、「バイバイ」って。
大月:まあ強烈だったよね。
サトシ:強烈でした。
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☑︎島で唯一約束を守る男。音楽プロデューサー・チャン
大月:チャンとの出会いは、俺が道端で360度映像撮ってたら、チャンがタタタタッて小走りで駆け寄ってきて「俺は音楽を作ってる者なんだけど」みたいなこと言ってきて。「映像撮ってるの?」「映像とコラボしたいんだけど」みたいな、すごいクリエイターっぽい感じがした。
サトシ:チャンってツバル人ぽくなかったですよね、本当に。
大月:そうそう。
サトシ:すごいやる気に満ち溢れた感じで。
大月:そうだよね。チャンってツバルでは珍しく職業が人格になってる人というか。俺は音楽やってる人間なんだよっていうのが彼のアイデンティティーになってる。
遠藤:なるほど。
大月:ツバルでは彼のヒットソングもあるって言ってたね。叔父さんも有名なプロデューサーで、シンガーの家族もいるって言ってたから音楽一家だよね。
サトシ:あとチャンは自分の音楽にHIPHOPを取り入れたりしてるって言ってましたよね。
大月:そうそう。ハイカラなんだよな、チャンは。AKONのサウンドにはシンパシーを感じる、とか言ってたし多分ツバルの中では相当なオシャレさんなんじゃないかな?
イアン:けど実際作った音楽聞かせてもらったら、結構ローカル感溢れるいなたい感じでしたけどね(笑)
大月:そういやさ、そこら辺にいた子供たちにカメラを向けたら「今流行ってるポーズ」って言ってTRAPのポーズをやったのはビックリしたわ。その子たちはブレイクダンスも踊ってたし、「うおお、ツバルにもHIPHOP入って来てるんだ!」って感動した。
イアン:インターネットでしょうね。あと1回だけ夜にパーカー着てフードを被った数人の若者集団も見かけました。クソ暑いのに(笑)
サトシ:話戻して、チャンの話しましょう。チャンの良いところは、ツバル人って待ち合わせの約束とか基本的に守らないじゃないですか。だけど彼は、ちゃんと約束通りどころか約束よりもちょっと早いくらいに来るみたいな。
大月:そう、唯一チャンだけ約束を守って来てくれた!でもアホな走り集を見せた瞬間からチャンがドン引きしてね(笑)。チャンは自分でやりたくないから、沢山の人を紹介してくれてね、生贄たちを(笑)。そのおかげで撮影がけっこう進んだ。
イアン:でも本当にツバル人は約束を守ってくれなかったよね。
大月:何時に来るって言っても絶対に来ないし、旅の後半は「じゃ、明日の夜行くね」とか言われたらもう来ないんだなって、わかるようになった。
イアン:350.org*のツバル現地スタッフが「わかったわ、金曜日に全員集めておく」って言ってたけど、それ聞いた瞬間に「うわっ絶対に嘘だ」って思った(笑)
*イアンが所属していた国際環境団体
大月:約束は本当に守らない。途中で俺本当に心切り替えた。
イアン:そうなんだよね、約束守らないことに対して、こっちが「うわ、なんだ」って思ったり怒ったりするのは門違いなんだって感じがする。それはもううちらの勝手みたいな。
大月:そうそう、そういう文化じゃないんだっていう感じがする。
イアン:遠藤さん、ツバル人は約束を作らないんですかね?
遠藤:約束は作るよ。
大月:俺らとの約束の重要度が低いって話ですかね。
遠藤:いや、そういうことじゃなくて、時間に対しての重要度かな。その「明日の1時」って約束した時刻にそんな大事さがないわけよ。別に来年の1時でもいいわけ。
大月:ハハハ!ダメだろ(笑)。
遠藤:まず基本は離島生活の感覚なんだよね。すごい狭い島で300人くらいしかいない人たちが約束するということにあまり意味がない。常に顔合わせてる。時間というのをツバル語では「タイニ」って言うんだけど、あからさまにタイムを読み変えてるだけなのね。すごい近代に入ってきた概念。
大月:最近外から来た概念なんだ。
遠藤:そうなの。それまでそんな概念ないわけよ。
イアン:それはめちゃ面白い。300人の規模で、誰かの家とか行ったりとかしたら、「今いないよ待ってる?」「待ってる」で終わりですもんね。
遠藤:そう。帰ってくるから。
イアン:おー、面白い。約束のいらない世界。深いですね。
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☑︎テコンドーの伝道師・キムとカン
サトシ:あと仲良くなったのは、俺らと同じゲストハウスに最初泊まってた韓国人のキムとカンですかね。ツバルの子供達にテコンドーを教えに来てた。
大月:あれピースコープだよね。TPC、テコンドー・ピース・コープ。
遠藤:宗教団体系だからね。
イアン:プロテスタントですよね。元々は。
大月:彼らはすげーイイ奴ら。親切。俺が足を痛めた時も塗り薬を持ってきてくれて、丁寧に使い方も教えてくれて。
遠藤:二人とも英語力が全然ないんだけど、コミュニケーションがしっかり成立する。語学力よりもコミュ力が高いことが大事なんだってことを教わったよね。
サトシ:うん。英語たどたどしいけど伝わってくるし、俺らが何を言いたいのか察する能力が高い。単語も理解するまで何度も例えを変えながら聞き直してくるし、あと「OK!」「GOOD!」とか、バイブスが常にポジティブなんだよね。
イアン:そうだよね。正しい語学力よりも、キャッチボールを成立させるコミュ力、ポジティブなバイブスの交換力が大事ですね。
大月:ツバルではだいたいの人に英語が通じるので、たどたどしくてもバイブスで乗り切りましょう!
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☑︎24時間戦えます。離島の最強おじさんポキア
イアン:あとは離島で出会ったポキアはマジで恰好良かった。勝手にポキア師匠と呼びたい。46歳かな。めちゃくちゃガタイの良いおじさんで本当にずっと笑ってるの。元気に満ち溢れてて、ポキア師匠が寝てる姿、一瞬も見てないんですよ。俺が朝起きたら、もう釣りに出てて、帰ってくるときも釣りに出てて。
大月:ポキアの住むバイツプ島には何人くらい住んでるの?
遠藤:あそこはね、普通に住んでる人が500人くらいだね。全寮制の中学校もあって生徒を含めると全部で2,000人くらい住んでるね。
大月:ツバル全体の1/5。結構な人口。
イアン:ポキア師匠に「おい、飯採りに行くぞ」って言われて、バイクに乗せられて森に行って、シダの葉っぱを取って来て、それを持って帰ってきてカレーにして。
ニーナ:あれ美味しかったあ〜。
大月:ワサワサ生えてるんだ?自生?
イアン:自生。ワッサワサ生えてる。森の一部がもうシダの葉みたいな森があって。「ここのクルって部分を掘るんだよ」って。
遠藤:ラングルーというんだよね。石垣島に生えてますよね。石垣で食ったら結構高額。
イアン:そう。天ぷらとかすごい高い。高級食材ですね。
大月:そういうのを採って。マジ自給自足だ。
遠藤:ポキアはタロイモ畑も持ってるんだけどね、でもうちらがいた時はタロイモは出てこなかったね。
大月:そういや珍しいカニを獲りに行ったんだっけ(笑)?
イアン:ああ、その話(笑)。ポキア師匠が僕のとこに来て、夕方5時くらいなんですけど、「カニ獲りに行くぞ、乗れ」って。バイクの荷台に乗って、その日ちょうど潮が高くて、かなり冠水したところをバイクでブワーって進んでいったあまり人気のない所に、二階建ての一軒家があって。師匠が家に入っていって、カニを獲る道具を取りに行ったのかなって思って座って待ってたんですよ。そしたら師匠が超嬉しそうに笑顔で、両手にバケツを持ってダダダダッって降りてきて「これがカニだ」って。その中身はカオというココナッツのお酒。それをそこから2時間くらいひたすら飲まされて(笑)。あとから遠藤さんも合流して飲みましたね。
遠藤:そこはカオ作りの上手な人がいて、要はカオ屋さんなんだよ。みんなそこに買いに行ったり、もらいに行ったりする。現金でもいいし、魚と交換もOKみたいな。
大月:どっちでもいいって、それはツバルっぽい。
サトシ:ニーナなんで行かなかったの?カオ飲みに。
ニーナ:私、呼ばれてない。一人でずっと待ってて。
遠藤:カオはね、女性抜きなんですよ。伝統文化ですね。
イアン:傑作なのはポキアに会ったときは、「ポキアお酒飲まないの?」って聞いたら「俺、やめたんだ」って。「俺は神の男になった。良い生活を送ってるんだ、昔はタバコもよく吸ってたけど全部止めたんだ俺は」って。
遠藤:ツバルはキリスト教の影響力が強いからね。
イアン:なのに、めっちゃ嬉しそうに「うぃ〜、飲もうぜ〜」って(笑)。家族にも絶対内緒なんだけど、そしたら偶然いきなりバイクで娘さんが通りかかって「なにやってんの!」って怒られて(笑)。けどね、そんな時でも師匠は常に笑顔なんすよ。うちらは何か面白いことがあって笑うじゃないですか。そうじゃなくて、挨拶して笑うんですよ。「おはよ、ワッハッハ!」って。
大月:すごい。
イアン:「腹減ったか?」「腹減った」「ワーハッハッハ!いいな!」みたいな。ポジティブエネルギーの塊みたいな人。
大月:それってポキアだけ?
遠藤:ううん、そうでもない。離島行くとそういう人が多い。
サトシ:普段の暮らしが大変だから、生きてるだけで幸せなんですかね?
遠藤:いやー、なんか目の前にあるもので心が満たされているというかね。離島にいると確かに生活の中に幸せを感じてしまうんだよね。
イアン:幸せ、感じましたね。
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☑︎アホな走り集に出てくれた人たち
大月:アホな走り集に出てくれた人たちのこと紹介しておこうよ。
サトシ:はい、素性がわかる人だけでも紹介しましょう!
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☑︎首相の甥っ子AとB
大月:まずこの2人。首相官邸にお邪魔させてもらった時に、首相の息子に「誰か出てくれない?」って聞いたら「こういうのが好きなテンション高い奴がいるぞ」って連れて来てくてたんだよね。
サトシ:それが首相の甥にあたる兄弟で(笑)
イアン:彼らはマジで「ヒャッヒャッヒャッ!」って楽しそうに参加してくれましたね。僕たち遊ぶことがだーい好き!って感じで(笑)
大月:走ってもらったロケーションも首相官邸の目の前のビーチなんだけど、すっごい綺麗だった。
イアン:走って突撃してくる甥っ子A(左)が、俺とサトシをファーテレに誘ってくれたんだよな。
*ファーテレについて詳しくはこちら(「聖水をかけられて、認められた気がした」)
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☑︎ラジオ局のリリ
大月:この人はラジオ局で働いているリリ。
サトシ:ラジオでアホな走り集の撮影の宣伝をしてもらった時に、ツバル語で翻訳してくれたラジオDJですね。
イアン:リリはめちゃくちゃ良く笑うんですよね。話してる間ずーっとケラケラ笑ってる。
大月:表情も豊かで初めて会った時から「この人に出てもらいたい!」って思ってて、何度もリリのところに通って「出ない?」って。
サトシ:最初は恥ずかしがって走ってくれなかったんだけど、色んなツバル人のアホな走りを撮ってくうちに次第に乗り気になってくれて、最終的には「いつでも走るわよ!」って感じでしたね。
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☑︎魚の女の子
サトシ:この子は魚取り大会の場所で捕獲した子ですね。
イアン:「誰か出てくれる女の子いないかなあ?」って聞いて回ってたら「あの子は面白い子よ」って紹介されて。
サトシ:実際、めっちゃ面白かったですしね。
イアン:魚取り対決の後だったから、顔中を真っ黒にしててね、本当はそのまま走って欲しかったんだけど、走る前に顔を洗っちゃった。
サトシ:しかし、この子の小道具(魚)の使い方は良かったなー。
大月:島の他の場所で出演してくれる人を探してる時に、この子の撮影素材を見せたら「ああ、この子は島でも面白いって有名な子よ」って(笑)
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☑︎ナオミちゃん
サトシ:ナオミさんは滑走路でナンパして走ってもらったんですよね。
大月:そう。アホな走り集の動画を見せて「これやんない?」って感じで交渉するんだけど、ナオミは動画見た瞬間から爆笑しててね。絶対出演してくれる感じはするんだけど「どうしよっかな、、でも、、(動画を見て)プププププ!あー面白い。でもなあ、、」みたいな感じで迷ってて(笑)
サトシ:ナオミはすごい雰囲気が良かったんで、この逸材は絶対逃がさねえぞ、みたいな感じでこっちも必死に食らいつきましたね。
大月:30分くらい迷ってて、ようやく「あっちの人がいないところでならいいわよ」って。それで、いざ撮影してみたらマジ最高の絵が撮れた。
サトシ:息子さんの笑顔が本当に素敵。今作のサムネイル画像もナオミになったし、とても素晴らしい絵が撮れましたね。
イアン:ほんと最高!ナオミの走りを見て笑顔にならない奴がいたら人じゃないって感じですね。
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☑︎キオアのキング
サトシ:彼はツバルではなく、フィジーのキオア島で撮影しました。とはいってもツバル人のようなものなんです。
*キオアについて詳しくはこちら「キオア島で考えたこと〜途中合流メンバー・Mハラ氏の手記〜」
イアン:路上でナンパしてる時に「島で一番面白いヤツって誰?」って聞いたら彼が紹介されて。
大月:でも、そういう奴って大概おもしろくないじゃん(笑)。だからあんまり期待せずに撮影して見たらマジで見たことのない、斬新な動きのアホな走りでさ!(笑)
サトシ:周囲のギャラリーからも歓声が上がりましたよね。
大月:俺もストップボタンを押した直後に「ユーアーキング!」って言ったからね。
イアン:ちょっともう、コンテンポラリーダンスの領域っていうか、アート感ありますよね。
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☑︎マクリータ
大月:マクリータはね、遠藤さんが元々知ってた子で、僕らが到着する前から出演交渉しててくれてて。
サトシ:島一番の才女という評判で。
イアン:小学生なんだけど英語ペラペラで。目がクリックリでキラッキラしててね。確かに賢そうだ、って感じの。
大月:到着してまだ2日目で、序盤の撮影だったから、ツバルの人たちがちゃんとアホな走り集のコンセプトを理解してくれるのか心配だったんだけど「うん、わかったわ!」って感じでやってくれた走りがコレで。
サトシ:「おお!すごい!伝わってる!しかも面白い!」ってなりましたね。
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☑︎フィッシャーマンのおじいさん
サトシ:実はかなり苦労しましたね。
大月:今回のアホな走り集で一番重要な、海水がガッツリ浸水してるっていう状況で撮影するっていうミッションがあって。でも誰も走ってくれる人が見つからなくて、日も暮れ始めてきちゃってて。
イアン:水かさが最も高くなる日は年に数日しかないから、その日に絶対撮らないと、本当にもうツバルに撮影に来た意味がないくらいの状況。
サトシ:撮影したのはカバトエトエという集落なんですけど、そこの家を一軒一軒聞いて回って、最終的に、最高の人を探し当てたっていうか。
イアン:「この集落で一番面白い人は誰?」って聞いたら、「俺だ、俺だ、俺だー」って出てきて(笑)。
大月:救世主現る、みたいな感じで登場してね。で、やってくれたのはいいんだけど、制御不能タイプというか、こっちの言うこと聞いてくれない感じで(笑)
サトシ:自ら手にサンダルを付けたり、頭に手ぬぐいみたいの巻いたり、口に変なものをくわえたり(笑)
イアン:走りもカメラに向かって真っ直ぐ走ってくれないんですよね。最終的には豪快にずっこけて(笑)
大月:集落のど真ん中の広場で走ってもらったんだけど、集落中の人が集まって、ゲラゲラ〜!って大爆笑。
サトシ:その後、このおじいさんから「俺は人を笑かすのが大好きなんだ。こんな風に人を笑かせる機会をくれてありがとう」って言われた時は、ちょっと目の奥が熱くなっちゃいましたね。